平成29年度の施政方針

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平成29年度施政方針 

 平成29 年第1 回新島村議会定例会の開会にあたり、村政に対する所信を申し延べさせていただき、 議員各位並びに村民の皆樣のご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

 今日の国際情勢を見ますと、新大統領誕生によりその行先が懸念されるアメリカ合衆国、EU離脱を決めたイギリスなど、今までの秩序は流動化しつつあり、先の読めない情勢が続いております。一方、我が国でも、少子高齢化や人口減少、各分野における担い手不足、国・地方を通じた厳しい財政状況など、多くの課題が認識されております。また、東京都におかれましては、「東京大改革」という旗を掲げ、「新しい東京」の実現に向けた改革の推進を目指し、「都民ファースト」の視点に立った財政構造改革などに取り組んで行くこととされております。このような情勢のなか、当村におきましても、地域における産業の活性化や雇用の創出、少子高齢化、人口減少への対応、自然災害などに対する防災対策などの課題が山積しております。このため、国の長期ビジョンである「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、昨年策定した「新島村総合戦略」に掲げた政策を着実に進めていかなければなりません。

 その基本はなんと言っても村民一人ひとりが、この村に自信と誇りを持つことが何より重要なことであり、あるべき地域社会の姿をしっかり捉え、その目標に向かって明確な意志を持って歩んでいく姿勢が重要であります。このような状況を踏まえ、人口減少社会に対応し、将来にわたって住み続けたいと思っていただける魅力ある村づくりを、議会をはじめ村民の皆様とともに「活力あふれる村づくり」に取り組んでまいりたいと考えております。

それでは、平成29年度の主要な事業につきまして、ご説明申し上げます。

健全な財政運営を目指して

 国は、平成29年度予算の基本的考え方として「経済・財政再生計画」2年目として、経済再生と財政健全化の両立を実現する予算と位置付けています。当村の歳入の大きな柱の一つである地方交付税は、前年度比2.2パーセント減の16兆3,298億円となっておりますが、その目減り分に対して臨時財政対策債が増額となっています。また、昨年に引き続き「まち・ひと・しごと創生事業費」として1兆円が予算措置されております。

 一方、東京都においては「『新しい東京』の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来へ確かな道筋を紡ぐ予算」と位置付け、「セーフシティ」「ダイバーシティ」「スマートシティ」の3つのシティの実現に向けて施策展開を力強く進めること、全ての事業の総点検を実施し、無駄の排除を徹底して行うなど、都民ファーストの視点に立った財政構造改革の推進を基本として、予算編成が行われました。当村にとって財源補完の最重要制度である「市町村総合交付金」については、28年度補正予算からではありますが、29年度予算案において、初めて500億円の大台に乗り、市町村への財政支援の充実が図られております。今後、大型事業が続く当村の財政運営にあっては、市町村総合交付金に大きく依存することは言うまでもありませんが、事業計画の精査も含め、財源の確保について、今まで以上に東京都と連絡・協議を密にして対応してまいります。

 当村の平成29年度予算は、一般会計予算額44億7,253万6千円となり、対前年度比プラス23.8%、金額にして8億6,028万8千円の増額予算となっております。主な要因は、光ファイバーケーブル網敷設工事及び新島ごみ焼却場整備事業の増額によるものです。特別会計の予算総額は、22億7,450万円で、前年度比約4.3%の増額となっておりますが、特別会計の各事業については、一般会計からの繰出金により、円滑な運営と安定した住民サービスの提供を図ってまいります。

 今後も、国や東京都の動向を把握し、連携をもって補助金等の確保に努め、基金や地方債の有効活用を図りながら、堅実かつ効率的な財政運営を推進していくとともに、安全・安心して暮らせる地域づくりに積極的に取り組んでまいります。

職員の定員管理・人材育成

 行政の職務は多様化、複雑化、専門化しており村民のニーズに対応するため、業務の変動とともに総量は増加してきており、職員の効率的な配置をする必要があります。そのため、職員数については、計画的に定員を管理し、長期的な視点での管理計画を策定するとともにそれに対応すべく迅速な人員の増減を行ってまいります。さらに、職員の育成については、これまでと同様に必要な知識と技術等スキルアップを図るために、職員研修所等での研修に積極的に参加するとともに、専門研修等職務に沿った知識を習得し、公務員として一人ひとりが、行政はもとより地域住民の原動力になるよう努めてまいります。

 村政運営には良質な人材が必要です。職員が全体の奉仕者として公共のために勤務すること、さらに、公務における規律と秩序を維持することなど、職業倫理にもとづいた職務遂行に努めてまいります。

情報のセキュリティー

 村では個人情報及び特定個人情報を多く取り扱っています。29年度から本格的に情報のセキュリティ対策として2要素人認証システムの運用をおこないます。情報の漏洩事件、事故がないよう取り組むとともに、サイバーテロ対策として東京都と連携して、自治体情報セキュリティクラウドを構築し、インターネット環境の高度なセキュリティ対策を講じてまいります。

住民の生命と財産を守る

 近年の日本列島の災害発生状況を見ますと、何れの地域においても大地震や集中豪雨の可能性があるといえます。昨年は、4月に熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、その28時間後には本震となるマグニチュード7.3の地震が発生しました。この地震により、157名の方が犠牲となり、建物被害は全壊が約8,000棟にもおよぶ大きな被害をもたらしました。また、8月には台風10号が発生し、日本の南海上で複雑な進路をたどった後、岩手県大船渡市付近に上陸し、周辺地域に大きな被害をもたらしました。

 当村におきましても、あらゆる種類、あらゆる規模の災害に備えた対応策が急務となっておりますが、昨今の災害は、公助による支援だけでは対応が困難となっています。これからは、住民一人ひとりが「自分の命は自分で守る」という自助能力を高め、共助の担い手である自治会の防災力を向上させ、事業者の組織力や機動力の活用など、自助・共助・公助の総合力で対応することが重要であります。

 昨年の10月には当村で、はじめてとなる夜間訓練を実施しましたが、夜間にもかかわらず村全体で1,392名、約50%の住民の方々に参加していただきました。29年度は、この機を逃すことなく、より実践的な訓練を検討してまいりたいと考えております。また、津波避難路整備および津波避難タワーの調査・設計業務委託については、29年度に予算計上しており、南海トラフ地震に備えた整備事業も着実に進めてまいります。懸案となっていた、若郷地域の避難場所については、用地の取得ができましたので、今後、地域住民のご意見を伺いながら、進めてまいりたいと考えております。

 今後も各種防災事業に取り組むとともに、将来を見据えた計画を検討し、新島村の防災力向上を目指してまいりますので、議会をはじめ各関係機関のご理解と協力を賜りたいと存じます。

消防業務について

 常備消防のない当村にとって、消防団は地域防災には欠かせない存在であります。29年度は、その重責を担い日夜献身的に取り組んでいる消防団員の処遇改善を図りたいと考えております。また、東京都消防訓練所、日本消防協会、東京都消防協会などの指導を仰ぎながら、消防団員の災害対応能力の向上に努めてまいります。

コミュニティ活動の支援

 住民のコミュニティ活動につきましては、現在、自治会連合会を頂点として、各町会が様々な活動を展開しております。29年度においても、その活動を支援するため、活動費補助金を計上しております。先日、都の施策として、都内自治会連合会の代表者等を委員とした「東京都地域活動に関する検討会」が設置され、島しょ部唯一の自治会連合会である当村自治会連合会長が出席してまいりました。今後、東京都と一丸となって、地域課題を共有することが重要であると思っております。

 例年開催している「島民まつり」につきましては、住民アンケートの結果、毎年開催と隔年開催希望が同数であったことから、実行委員会設置後、委員の方々にご検討いただきたいと考えております。

定住化対策

 定住化対策については、国の補助金を活用し、3月末までに「新島村定住化体験住宅」の整備を目指しております。今後は、この住宅を活用し、実際に新島村に短期定住を行いながら、長期定住を移住希望者に検討して頂くことが可能となります。

 また、定住化を支援するための空き家バンク制度につきましては、登録相談件数の伸びが徐々に見られますので、今後も継続して運用し、広報などを通して周知をしてまいります。

 「新島村定住化対策事業交付金」につきましては、29年度も引き続き実施し、更なる広報に努めるとともに、定住化対策へご協力いただける空き家の改修等を支援し、村内の土地および家屋の流動化を進めてまいります。

超高速ブロードバンドの導入

 超高速ブロードバンドの導入につきましては、東京都と海底光ファイバーケーブルの整備に向けた要望や協議を続けてまいりましたが、29年度に神津島と式根島間、式根島と新島村間の海底光ファイバーケーブルの敷設整備の実施が予定されておりますので、これに併せ、当村の光による島内網整備に向けた実施設計と工事を行います。通信事業者のサービス開始については、平成30年夏頃を予定しております。今後は、ICT化推進のために住民及び島内事業者への加入促進と地域活性化へ繋がる利活用を図ってまいります。

自然エネルギーへの取組

 26年度から取り組んでいる「再生エネルギー実証実験」につきましては、全ての実証施設が完成し、29年度、30年度の2ヶ年をかけて、本格的に実証試験が行われることとなります。今後、企業技術者をはじめ、国内自治体や海外からの視察も積極的に受け入れ、交流人口の増加を図っていきたいと考えております。同時に、児童生徒の教育的活用や住民の見学会など、本事業を知っていただくための機会をつくってまいりたいと考えております。

 また、本実証が、我が国のみならず世界に向けて有意義な成果を生み出すものとなることを目指し、協力体制をより強固なものにし、この事業の成功に向けて、積極的に取り組んでまいります。

島の経済を支える産業の振興

 観光・商工事業

 観光商工事業につきましては、来島者数は新島・式根島を合わせて対前年比103%で73,338人と2年続けて増加しています。昨年、わが国には2,400万人を超える訪日外国人が訪れました。村では外国人に対し、利便性の向上やマナーの徹底を図るために、キャンパー用6カ国語リーフレットなどを製作しましたが、今後もこれまで実施した事業の検証も行いつつ、引き続き誘客事業を展開してまいります。

 まず、宣伝事業としまして、引き続きラッピングバスをはじめとした広告、各地の物産展に参加しての観光PR及び特産品販売などを継続して行うほか、各産業団体と連携しながら、クサヤ試食会などで積み重ねてきたノウハウを活かし、島外での合同産業イベントを実施してまいります。また島外の映画関係や映像クリエーターを目指す学生を対象に、学生目線で「島の短編PR映像」を製作していただき、これをコンテスト形式にした「映像のチカラコンテスト」を、関係団体と連携して独自の事業としてスタートしてまいります。完成した映像をPRに利用するとともに、学生の皆さんが成長し、やがて新島・式根島でロケを行い、それをまた島のPRにつなげていくという投資的な効果も期待できる事業として取り組んでまいります。一方、確実に来島者を確保するため、トライアスロン及びサーフィン大会などのスポーツイベントを引き続き実施いたします。今年は新島国際ガラスフェスティバルも30回を迎えますので、充実した内容のイベントにしたいと考えております。

 ハード事業につきましては、新島地区では富士見峠展望台にトイレの設置工事を実施しするとともに、間々下源泉2号井には流量計や水位計などの機械化を行い、温泉供給が安定化するように整備いたします。式根島地区では、地鉈温泉の階段手すり補修、源泉から雅湯へ行く配管改修工事を実施するとともに、遊泳者対策として、泊海岸ライフガードタワーの建て替え工事を行います。また、29年度は、野伏漁港船客待合所の建築が予定されておりますので、建設費の一部を負担するとともに、待合所内に売店を設置して、新島港待合所と同様に観光交流広場と位置付けて、設備費の一部を負担いたします。待合所には式根島観光協会も入る予定となっておりますので、東海汽船と同じ建物内での「にしき」の発券業務、観光案内など、新たな観光拠点としてお客様の利便性が高まることを期待しております。

 関係団体への支援につきましては、商工会を中心としたロケーションボックス事業に対し、新たに研修費を中心に補助するほか、観光協会に対しましても引き続き支援してまいります。

 観光につきましては、来島者が増えるような戦略を立て、事業を展開していくのが行政の役割でもありますが、同時に「滞在日数を一日でも増やしていく」ことが重要であります。関係団体と知恵を絞り、実現できるよう進めてまいります。受け入れる宿泊施設が不足しているなか、国家戦略特区法に基づく「民泊特区」の実現について、今後、研究・検討してまいりたいと思っております。

農林業事業

 農林業事業につきましては、農家や農業団体が、農業生産に励むことができるよう支援を続けていくとともに、原点に返り、気軽に「農」に関わることができるようにしていくことが大切だと考えております。このため、ふれあい農園の事業として、「農」に一人でも多く触れ・体験できるように、初心者から学べる体験講習会を毎月1回開催してまいります。また、生産性を上げるためには農業用重機の利用が欠かせません。不定期ではありますが、安全に長く使用できるように技術講習会を開催してまいります。ふれあい農園では、苗の販売及び主要作物の安定した供給を推進する一方で、新しい農作物の試験栽培を積極的に行っておりますが、農園事業をより充実させるために「マルチ張り機」などの機械を購入し、作業の効率化を図ってまいります。同時に、生産者は勿論のこと、家庭菜園を行っている村民の皆さんへもPRし、将来の就農を促進させていきたいと考えております。今後は、農協と相談しながら収穫祭の実施、苗の販売高を増加させるための販路開拓を進めてまいります。また、農業を基盤としている認定農業者さんや生産団体さんに、より一層の農業振興を図ってもらうために、引き続き、村独自の農業支援事業を行ってまいります。補助メニューを活用して加工施設整備支援や開墾支援のほか、農協には芋収穫機などの購入のための支援を行うとともに、シーズンにより農業用機械が不足するため、新規に中型ユンボを購入して生産者の利便を図ってまいります。

 ハード事業につきましては、昨年に続き式根島の地鉈瀬戸表線の農道改修工事、若郷久田巻地区暗きょ排水対策の実施設計を行います。設計完了後は、所有者に対し行程など十分な説明と調整を行ってまいります。また、「まました温泉」については、浄化槽や露天風呂などの改修工事を実施してまいります。

 有害鳥獣対策につきましては、引き続き根絶を目指してまいりますが、鹿の食害によると思われる植生被害が発生しておりますので、関係機関と相談しながら植栽や鹿の侵入を防ぐ柵などの設置を検討してまいります。

水産事業

 水産事業につきましては、島の重要な主要産業であり、これまでに施設の整備や様々な支援を行ってまいりました。今後も可能な限りの支援や水産振興を図っていきたいと考えております。29年度の事業につきましては、稚貝・稚魚の種苗放流を継続実施するとともに、人材育成事業として漁業体験教室を開催いたします。水産業は、他の産業と比べて後継者不足問題は、より深刻でありますので、漁協組合と連携して、新規就業者に結びつくような支援を進めてまいります。式根島養殖場につきましては、運営が逼迫するなか抜本的な解決策が見つからない状態が続いておりますが、島内での消費が増えるよう努力してまいります。水産加工業につきましては、都の新規補助メニューである水産加工経営強化促進事業を活用して、商品開発を行う予定でおります。

 また、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、クサヤを世界に誇れる「東京ブランド」としていくために、また加工品生産の安定化を図るためには、原材料を地元の伊豆諸島内で確保していく必要があります。今後、東京都が行う実証実験に協力して、余力のある八丈島からの輸送について、経費の算出、課題の抽出などを検討し、安定した原材料の確保に活かしてまいります。また、販路・販売拡大のために、引き続き区民まつり等への参加について支援してまいります。

 ハード事業につきましては、主なものとして水産加工一次施設改修のための実施設計を行い、30年度に工事を実施する予定となっております。産業の活性化及び振興を図るため、昨年は各産業団体の方々と意見交換を行いました。村の産業を取り巻く状況は、厳しいものがありますが、今後も各団体と面談し、振興策等について従事者の皆様と検討してまいりたいと存じます。

健康で明るい暮らしのできる村を目指して

 健康で明るい暮らしを続けることは、村民だれしもの願いです。今後も医療、福祉、介護等の関係機関との連携を図りながら、健康で生き生きと暮らせる村を目指してまいります。消費税増税に伴う家計への影響を考慮し、臨時福祉給付金の支給が行われていますが、29年度も引き続き、「臨時福祉給付金」の支給を行います。この給付金は、28年度臨時福祉給付金の対象者の方を対象に1人1万5千円の給付金が支給されます。  

 介護保険は、高齢者を支えていく社会保障制度として定着しておりますが、介護給付費は年々増大し、高齢化率の増加に伴い、更なる介護保険の利用者増が見込まれております。29年度から介護予防給付のうち、「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」については、「介護予防・日常生活支援総合事業」に変わります。それ以外のサービスは、予防給付に残ります。これにより要支援1・2の方も予防教室等が利用できます。また、29年度は、第7期介護保険事業計画に向けて策定を行い、平成30年度以降3年間の適切な介護保険事業の運営に向けて協議を行ってまいります。

 「式根島福祉施設整備」については、28年に用地を購入することが出来ました。今年度は、地域住民の方との検討会を経て、地形測量、基本設計を進め、購入した用地の有効活用について検討してまいりたいと思っております。

 新島老人ホームは、現在、要介護3以上の方17名が入所希望者として待機しております。今後も施設介護を必要とする方は減ることはないと思われますので、このような状況を少しでも改善するためには、介護予防に重点をおいた事業を実施し、介護の必要な高齢者を少しでも減らせるよう努力してまいります。また、施設の整備、機械の老朽化に伴う交換など運営補助についても引き続き行ってまいります。29年度は、介護従事者の確保に向け、一昨年度実施しました介護職員初任者研修を行う予定でおります。同時に、従来から実施している独居高齢者、高齢者世帯等への見守り活動についても、民生・児童委員を中心に、関係機関と協力しながら、きめ細かい対応に心掛け、住民が抱えている問題等に対し、適切かつ迅速に対応してまいります。

 次に障がい者福祉つきましては、障がい者が必要なサービスをスムーズに利用することができるよう、障がい者・障がい児の相談支援体制の強化に努めてまいります。29年度も障がい者が地域で安心して働けるよう、引き続き就労支援事業を実施してまいります。その事業のみに頼ることなく、総合的に障がい者就労を進めていけるような体制づくりを進め、村内事業者を含め、障がい者の就労機会確保のための仕組みづくりを進めてまいります。障がい者の働く場の創出事業として、これまで漁業振興会に受けていただいておりましたが、29年度より社会福祉協議会へ委託して、漁業振興会の協力のもと、青葉会館において継続して実施してまいります。また、28年度より実施しております「障がい者への理解を深めるためのつどい」には、多くの方々が関心を持って参加していただきました。今年度も地域の方々に理解を深めていただくために計画実施してまいります。

 児童福祉につきましては、保育充実のための施設整備、人材育成の継続を図るとともに、保護者の意見や、地域の方々の声を聴きながら、今後も地域の特徴を生かした園運営を行なってまいります。また、私の公約でもある、高校生の医療費無償化につきましては、平成28年度から実施しております。平成28年12月までに10名の方から申請をいただき、助成を行いました。

 子育て支援につきましては、子ども家庭支援センターが中心となり「総合相談」「家庭訪問」などを通じ、地域のすべての子育てに関して、支援を実施しております。今後も、東京都児童相談センターなど関係する各種機関と連携しながら、ケースに応じた対応をしてまいります。徐々に利用者が多くなりつつある「新島もんもクラブ」につきましても、利用者の意見や、地域の方々の声を聴きながらニーズに合った要綱の見直しを検討するとともに、会員の増員を目指し、講習会並びに個別相談を実施して、地域の子育ての輪を広げてまいります。

 新島村社会福祉協議会及び新島はまゆう会、高齢者に「働く喜び・働く場」の提供をしておりますシルバー人材センター等の関係福祉団体と、より一層連携を深めるとともに、地域福祉向上を目指し、新たな事業展開につきましても取り組んでまいります。

さわやか健康センターの事業につきましては、健康センターでは「保健サービスの拠点」として母子保健や精神保健、各種がん健診、食育事業及び住民の皆様の健康づくりに関する様々な事業を行っており、引き続き各事業を継続実施してまいります。はじめに母子保健につきましては、妊産婦や乳幼児を対象に、育児に対して安心して生活できるよう、専門職が中心となり両親学級や育児学級を継続し、地域ボランティアの協力のもとに事業を実施してまいります。

 予防接種事業につきましては、子どもたちの健康を守るための各種予防接種や高齢者の肺炎球菌ワクチン、インフルエンザ予防接種を実施して、感染症予防に努めます。定期予防接種は無料ですが、健康センターで行う他の予防接種は、接種料金の軽減を図り実施してまいります。がん検診事業につきましては、厚生労働省の指針に基づき、引き続き検診を実施して、一人でも多くの方が島内で受診できるよう受診勧奨を進め、受診率を高めて、がんの早期発見に努めてまいります。

 食育事業につきましては、昨年のアンケート結果をもとに改定された「第2次食育計画」に沿って、「子どもから大人まで途切れない食育」をテーマに、事業を進めてまいります。

安心と信頼性のある医療業務

 へき地医療、特に島しょ地区は内地と異なり、高度医療の厳しい条件化の中で、地域医療を進めなければなりません。生活の中での医療は、そこで暮らす住民にとってはよりどころであり、安心感と信頼性が最も重要かつ必要とされております。そのため医療を司る診療所は医師をはじめ、各スタッフ一同は、住民サービス向上に努めております。全国的に医療従事者の確保が難しい状況にある昨今、幸いにも新島・式根島の診療所では人員確保ができており、適正な配置がされております。今後も、医科・歯科ともに医療体制の構築と連携を図り、信頼感の持てる業務の継続に努めてまいります。また、引き続き、内地の高度医療病院との連携を図るほか、専門診療の実施、研修医等の受け入れを行い、将来の医療を担う人材の育成の機関として協力してまいります。

 本村診療所につきましては、老朽化が危惧されておりますが、災害時の耐久性等考慮し、建替えが課題とされているところですが、今後、前向きに検討してまいりたいと考えております。

循環型社会の構築を目指して

 環境衛生関係につきましては、自然豊かな環境の中で、快適な生活を営むことが全住民の願いであり、島の自然環境をより一層、保全していくことが我々の役目だと認識しております。当村におきましては、28年度から可燃ごみの焼却処理を一本化し、大気保全に努めておりますが、現代社会における生活形態が大量生産、大量消費、大量廃棄という浪費型の生活様式になっており、住民ひとり当たりから排出されるごみ量は依然として高い状態となっております。新島村循環型社会形成推進地域計画に基づき、新たな焼却施設の整備が着手されておりますが、将来の一般廃棄物処理事業を見据え、リサイクルを基本とした減量化に取り組み、村民・事業者・行政が連携・協働し、環境負荷の低減に資する循環型社会の構築を目指してまいります。

生活の基盤整備

 道路・水道・下水道・港湾等の基盤整備につきましては、先ず、道路整備事業についてですが、新島地区においては、新規に羽伏浦線改良工事及び郵便局前線改修工事を実施します。式根島地区においては、大浦線改修工事を継続実施します。その他の路線においても日々点検を行い、不具合や危険等のある箇所が判明した場合は、速やかに補修等を行い村内交通の安全を確保します。

 公園事業つきましては、遊具やベンチ等の安全性を常に考慮した適正な維持管理に努め、より安全な施設として利用していただけるようにいたします。

 村営住宅維持整備事業につきましては、経年により劣化した東新田住宅4棟の屋上防水改修とメゾン黒潮住宅の外壁改修を実施します。また、日々の管理においては、頻繁に点検を実施し、故障や不具合に即応した維持管理を行うとともに住宅機能の改善を図り、入居者の利便性向上に努めてまいります。

 簡易水道事業につきましては、若郷地区については、老朽化した水道施設の更新工事を行います。式根島地区につきましては、地鉈瀬戸表線の配水管新設工事を実施します。今後も水道施設の保守に努め、安全・安心な水道水の給水を図ってまいります。

 下水道事業につきましては、本村処理区の全面供用開始に向けた管渠布設工事を引続き実施していくとともに、下水道加入率の向上を図ってまいります。次に式根島地区の下水道整備につきましては、今年度は管渠及び処理場の基本設計の策定を行います。基本設計がまとまった段階で、住民説明会を行い、同地区での下水道整備の早期着手・早期完了に努めてまいります。

 港湾整備につきましては、離島の住民生活にとって重要なライフラインであり、産業・経済の振興に欠かすことのできない基盤施設であります。

 式根島野伏漁港船客待合所につきましては、東京都事業として建て替えが予定されており、平成29年度中には新しい船客待合所が建設される予定となっております。新島港や各漁港の整備については、今後も現行の計画に沿って着実に整備が進められるよう、関係者との意見調整を踏まえながら推進するとともに、その計画の早期実現に向け、国・東京都に対し、議会及び関係各位とともに、積極的に要望してまいります。

教育・文化の振興について

 学校教育につきましては、新島中学校新校舎が都立新島高等学校と同一敷地内となり、これに伴い「東京都立学校の管理運営に関する規則」に基づき、従前から行ってきた「中高連携型一貫教育」を、体育施設等の供用利用含め、さらに緊密かつ強力に推進してまいります。また、村では、「高校卒業時の目指す子供のあるべき姿」の実現のため保・小・中・高が連携し、「連続した学び」と「つなぎの充実」を通して、子供たちに「生きる力」を身に付けさせようと「新島村連携型一貫教育」を、村の教育施策の重要な柱と位置付けて推進してまいりました。今年度におきましても「特別支援教育(インクルーシブ教育)の推進・充実」、「外国語教育の推進」、「オリンピック・パラリンピック教育の推進」等、求められる教育諸課題に学校現場とともに積極的に取り組んでまいります。なお、式根島地区につきましては、児童生徒数が少なく、新島とは置かれている環境が違い、また高校が島の中に無いため、式根島の子供たちは、中学校を卒業後は新島髙校あるいは親元を離れ、内地の髙校に進学せざるを得ないという厳しい現実があります。そのため小学校・中学校の9年間で確かな学力と生きる力を身に付けさせることが何より重要な課題となってきております。そこで式根島におきましては、これまでの「新島村連携型一貫教育」をより発展させ深めた一貫校の設置が望ましいとの結論に至り、子供たちの9年間を小・中学校の先生方が一緒になって育てていく「式根島小中一貫校」の平成30年度開設に向けて、今年度、その条件整備に取り組んでまいります。また、小学校では平成30年度から英語の教科化が先行実施される予定となっており、村ではそれに先駆けて今年度より小学校6年生を対象とした「英語合宿」事業を実施し、グローバル社会に生きる子供を育てるため、外国語教育の推進・充実に努めてまいります。

 施設整備面につきましては、老朽化により機能低下のみられる式根島の学校給食共同調理場について、大規模改修工事を実施し、施設の延命化に努めます。また光ファイバー網が整備され、30年夏頃にサービスの開始が予定されておりますので、ネット環境も格段に改善される見込みから、学校教育におけるICT化充実に向けた準備も進めてまいります。

 青少年健全育成につきましては、引き続きジュニアスポーツの普及と子供たちの健全育成を図ってまいります。また年間を通して活動し、島外での大会等対外試合にも参加している少年野球、少年柔剣道、ジュニアサッカー及びジュニアバレー等に引き続き遠征費の助成を行ってまいります。

 対外交流事業につきましては、岐阜県高山市荘川村、山形県鶴岡市羽黒地区の小学生が新島村を訪問し、新島・式根島の小学生と交流を行うほか、新島村の小学生が東京都日の出町を訪問して、同町の小学生と交流を行い、相互理解と視野拡大を図る機会を創出してまいります。また、引き続き「羽黒スキー交流」を実施するとともに「駅伝大会」への選手の派遣交流を相互に行い、一般住民間のスポーツ分野における交流をさらに発展・継続させてまいります。

 生涯学習、文化振興につきましては、29年度も村民が生の芸術に触れる機会や著名な方を招いた講演会を企画してまいります。博物館におきましは、「新島大観」等の往年の郷土史家が残した研究資料をデータベース化する作業を引続き実施するとともに、28年度に修理が完了した都指定文化財の「新島島役所資料」につきましては、住民への閲覧や研究者への公開等有効な活用方法を検討・実施してまいります。また、29年度も引き続き文化財保護審議会による新たな村史跡、旧跡の指定のための検討や作業を進めてまいりますとともに、同審議会の監修のもと外国人観光客等にも分かりやすい史跡、旧跡の外国語等を併記した案内板を、29年度に整備いたします。

 国指定重要無形民俗文化財「新島の大踊」につきましては、例年どおりの公開を実施し、今後の保存伝承活動の発展に努めてまいります。

 今後も一般村民への自然や歴史に関する啓蒙活動をするとともに児童・生徒に対しても各学校と連携して、博物館を学習の場として活用する機会を引続き創出してまいります。

 28年度に試験的実施してきた「放課後こども教室」「寺子屋」事業については、参加者も増え好評なことから今年度も継続実施し、子供たちに放課後や週末の「遊び」や「学び」の場の機会を提供し、その効果を引き続き評価・検証してまいります。

おわりに

 以上、平成29年度の施政方針について、所信を申し上げました。

 世界情勢、あるいは我が国のおかれている少子高齢化及び人口減少といった状況を見ましても、これからの数年間は私達が遭遇したことのない難しい時代局面を迎えることになると思われます。「持続可能な地域社会」を進めていく上で大事なことは、人と人のつながり、支え合い、喜びや悲しみだけでなく、苦労や痛みを分かち合うことが何よりも重要であると思っております。今後も、引き続き「活力あふれる村づくり」の実現に取り組み、村民の皆様が将来にわたって住み続けたいと思っていただける村づくりを進めてまいります。

議員並びに村民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 

                                                                      村長 青沼 邦和

お問い合わせ先

新島村役場企画財政課企画調整室
〒100-0402 東京都新島村本村1丁目1番1号
電話:04992-5-0204内線204 FAX:04992-5-1304

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