診療所便り~Vol.12~ 万年筆と歯ブラシ

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万年筆と歯ブラシ          大塚詠一朗

診療所コラムvol.12は診療所の2階、歯科診療室からお届けいたします。

私が筆を執っている今は8月、私自身新島での夏は初体験です。仕事はもちろん、海も楽しませて頂いております。

マイブーム

こんな言葉もいつの日か聞かなくなってきましたが、私は義父から頂いたのがきっかけで万年筆にハマっております。そもそも筆は約4500年前、中国にて生まれました。それまで、羽先を削ってそこに何度もインクをつけて文字を書いていたので、ある程度インクをためておいてくれる筆の誕生は画期的だったそうです。話は飛びますが、現在の万年筆の礎となったのは、1884年アメリカのウォーターマンが毛細管現象を利用したインク貯蔵型のペンを作ったのが始まりです。かつては公文書へのサインは万年筆のみ認められていましたが、1970年にボールペンでのサインが認められて以来,現在ではその立場をボールペンに取って代わられてしまいました。しかし、根強いファンも多く一度手にとって見ると、そのサラサラという書き味に惚れ込んでしまう方も多いのではないでしょうか。

 

万年筆の魅力

ボールペンにお株を奪われたそんな万年筆ですが、その良さについて少しご紹介したいと思います。

まず、なんといってもかっこいい。誰しもきっかけはそんなものではないでしょうか(笑)。そして先程も述べたように力を入れなくても書ける。また、色の濃淡、トメハネハライが綺麗にでるため字が綺麗に見えるなどが挙げられます。そんな中でも私が一番楽しんでいることは使っているうちにペン先が自分の書癖に馴染んで来ることです。万年筆のペン先は、プラチナやゴールドなど金属の中でも柔らかいものが使用されています。そのため、たくさん字を書くにつれ、紙でペン先が擦れ自分にあった“エイジング”が行われるのです。万年筆という名の通り、しっかりとお手入れをすれば半永久的に使えるものです。私もまだまだ万年筆初心者ですが、たまにはキーボードから少し離れ万年筆の“エイジング”を楽しんで行きたいと思います。

 

歯ブラシの選び方 〜歯肉への影響〜

歯科からお届けしますと言いつつ全く歯科領域に触れていませんので、少しは歯に関しても書かせていただきたいと思います。

一昔前までは歯磨き粉は少しだけ、一本一本丁寧に奥まで磨くために歯ブラシヘッドはなるべく小さいものを選ぶなんて時代もありました。しかし近年、歯磨き粉は多めに、歯ブラシはヘッドの大きい物を選ぶそんな傾向があるように思います。実際私が使っている歯ブラシはかなり大きめです。

歯を失う原因として7割以上を占めるのがむし歯と歯周病です。そして、それらに関与しているのが様々な種類の細菌です。つまり、細菌のコントロールさえ出来てしまえばほとんどのむし歯と歯周病は予防できてしまうのです。そこで活躍しているのが歯ブラシです。私は、ブラッシングは最高の治療だと思っています。間違った歯ブラシの選択やブラッシングは、磨き残しになってしまうだけでなく、歯肉を傷つけ退縮させてしまうことにつながります。

 

歯ブラシの選び方 〜歯肉の役割〜

歯肉は、歯の根元の部分を覆い冷たい水や歯ブラシがしみるなど、いわゆる“知覚過敏”を予防する役割があります。さらに、健康な歯肉にはたくさんの毛細血管が通っており、そこには白血球や好中球など免疫を司る細胞が遊走できる環境があります。つまり、健康な歯肉を持っていれば多少の磨き残しには抵抗でき、むし歯及び歯周病の予防にも繋がります。大きな歯ブラシを使うということは、ついついやってしまいがちな力んだブラッシングの緩和になるのでかなりおすすめです。

万年筆も歯ブラシも使うときは力を入れずというのがキーポイントとなっています。歯ブラシはエイジングしませんが、毎日使うものなので、このコラムを最後までお読みいただいた方はぜひこの機会にお気に入りの一本を見つけていただけたらなと思います。

2015.9  大塚 詠一朗

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新島村国民健康保険本村診療所
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