診療所便り~Vol.7~
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医療費削減とジェネリック薬品について 岡田祐樹
今年も継続派遣になりました岡田です。引き続き精いっぱい頑張る所存ですのでよろしくお願いします。
今月はジェネリック薬品についてお話したいと思います。
医療費は年々増大傾向
皆さんご存じの通り高齢化社会である日本の医療費は年々上昇を続けています。平成26年度の日本における高齢化率(65歳以上人口の割合)は過去最高の25.1%(前年24.1%)と4人に1人が高齢者という時代に突入しています。それに伴い医療費もおおよそ毎年1兆円ずつ上昇しており、平成25年度の医療費は合計で約39兆円3000億円でした。これは国民一人あたりの負担で考えると30万円以上になっており、かなりの高額に達しています。このまま医療費が高騰していくと日本経済が破たんする事は容易に想像できます。
医療費削減
医療費削減の方法としては健康寿命を長くする、国民一人一人が安易に医療機関を受診(いわゆるコンビニ受診)しないよう心がける、などありますが中々意識を変えるのはたいへんです。
たとえば2型糖尿病患者で定期的に採血を行うものの食事、運動習慣を変えようとせず、その結果採血で悪化があれば内服薬増量、しまいにはインスリン導入になるという方がいます。インスリン導入になると医療費は大幅に増加します。逆に食事・運動療法は薬を使わずに糖尿病をよくする最大のクスリです。『企業に勤めている人は必ず週1回健康増進のため就労時間内に運動を義務付ける』などの法律を政府主導で作ってもよいと思います。
医療者側もむだな医療費を削減する意識をもっと持つべきだと思います。ある手技(検査)をやればやるほど自分の技術はあがるけれども、果たしてその患者にとって本当にその間隔で必要な検査なのか、一度立ち止まって考える必要がある時代になってきています。現在は医者の裁量権に任されている部分も多いですが、検査をやるほど自分の技術も病院の利益もあがる現在のシステムでは中々医療費を抑制する事は難しいと思います。むだな医療費抑制のためのさらなるシステム作りが必要だと思います。
ジェネリック薬品を使いましょう
話がそれました。そんな中、医療費削減の一つの方法として国が推奨しているのがジェネリック医薬品のへの切り替えです。ジェネリック医薬品とは、後発医薬品のことです。元の薬(先発医薬品)の特許が切れた10-15年後から開発・販売が認められています。ジェネリック医薬品には、先発医薬品と異なる添加剤を使用している場合がありますが、その場合でも厳しい審査が行われ、効果・安全性が同等であると証明されています。
ジェネリック医薬品を使用すると先発医薬品を使用するのに比べ、研究や開発にかける費用が少なくて済むためお薬代が3割~7割程度安くなります。皆さんが払っているお金が少なくなれば家計が楽になるだけでなく、それだけ村や国が負担する金額も少なくなり、医療費削減につながります。仮にジェネリック薬品のシェアが60%以上になると5300億円の医療費削減につながるという試算も出ています。
皆さんの次の世代にかかる負担を減らすためには1人1人が医療費に対しむだがないか真剣に向き合う事が大事だと思います。ジェネリック薬品への切り替えを検討されている方はお気軽にお声かけください。
2015年4月 岡田祐樹
新島村国民健康保険本村診療所
〒100-0402 東京都新島村本村4丁目10番3号
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